「スノーボード」をやってみよう!ビギナー編

「スノーボード」を
やってみよう!

ビギナー編

スノーボードは、1枚のボード上で、左右の足を前後に置いて構える(サイドウエイスタンス)ため、進行方向に対して横向きに滑走することになります。同じく進行方向に対して横向きに構えるスポーツには、スケートボードやサーフィン、ウエイクボードなどがあり、これらのスポーツは「横乗りスポーツ」や「横乗り系」と称されることもあります。なお、左足を進行方向前側に置くスタンスを「レギュラー」、反対に右足を前側に置くスタンスを「グーフィー」と呼び、ライダーそれぞれによって適したスタンスは異なります。

オフトレに人気のSUP でのサーフィンも横乗り

「数ある横乗りスポーツ」の中でも、両足を完全に固定して滑るのはスノーボードだけです。両足が固定されることにより、ハイスピードでの滑走や急停止、ジャンプなども可能になるほか、パウダーライディングやゲート滑走も行うことができます。また、樹やアイテム(金属や樹脂、木などで人工的に作られた障害物)にボードを当てたり擦ったりと、自由度が高い楽しみ方ができるのもスノーボードならではの特徴と言えます。

ここでは、初めてスノーボードを楽しむために必要な知識を紹介します。

1.用具の選び方

①ボード

初めてスノーボードを選ぶポイントとしては、トーション(ボードのねじれ)がやわらかいボードを選ぶと良いでしょう。サイズ(長さ)のチョイスは、諸説ありますが、以下を基準に選ぶと良いでしょう。

キッズ 0 〜100㎝
ジュニア 110 〜130㎝
一般男性 おおむね150 〜160㎝
一般女性 おおむね135 〜145㎝

②ブーツ

横向きに装着されるスノーボードでは、大きすぎるブーツを履くと(ボード装着時の)身体の位置がカカト寄りになって正しいスタンスで立つことができず、まっすぐ滑ることが難しくなります。足の親指がブーツのつま先に触れるか触れないか程度の、ちょうど良いサイズを選ぶことが重要です。

③バインディング

ボードとブーツを繋ぐバインディングは、S・M・L など、ブーツサイズに合わせたサイズがあります。サイズの合わないバインディングを選ぶと、ボードの中心に立つことができず、うまくコントロールできないだけではなく、危険です。またレベルに合わせた硬さがあります。サイズだけでなく、レベルに合わせたバインディングを選ぶことも重要です。

2.用具の装着

①ブーツの履き方

スノーボード用ブーツの締め上げ方には、「ひもタイプ」、「クイックレースタイプ」、「ダイヤルタイプ」などがありますが、近年は脱着が簡単なダイヤルタイプが主流です。
カカトを合わせて、ひもタイプの場合は、つま先側から締め上げるようにします。
ダイヤル式はダイヤルを回して締め上げますが、スネの締め上げは、足首が適度に曲げられる程度にしましょう。

つま先側のひもから締め上げる

ダイヤルを回してワイヤーを締める(緩める時はダイヤルのボタンを引っぱることでワイヤーが解放されるものが一般的)

②ボードの装着

ボードを装着する方法には、特に決まった手順はありませんが、前側の足を装着する際は、バインディングのストラップを締めるまでの間、ボードやリーシュコードを手から離さないことに注意しましょう。
また、装着していない後足バインディングのハイバックは倒しておきます。斜面で装着する場合は、斜面の下方向を向いてボードをフォールラインに対して真横になる位置(カカト側のエッジが立つ向き)に置きます。

リーシュコードを持ちながら、バインディングの雪を取り払い、前足を挿入します。

踏み外して、ボードを流さないように、先にリーシュコードを正しく取り付けます。

バインディングとブーツの間に隙間がないようにストラップ( ベルト) を締めましょう。

後ろ側の足を装着する場合は、バインディングの雪を取り除き、後足を収め、バインディングとブーツの間にすきまのできないようにします。
安全のために、斜面で後足を装着する場合は、斜面の端で行うこと。また、雪面に座って装着する場合は、斜面の下方向を向いてボードをフォールラインに対して真横になる位置(カカト側のエッジが立つ向き)に置いて装着します。

3. リフトに乗る前に

①転び方

スノーボードのケガで多いのが、手首と頭です。両足にスノーボードを装着した状態での転び方で重要な点は、頭や顔と手や腕を最初に雪につけないことです。また、どちら側に転ぶ場合でも、必ずボードを雪面から離す(浮かす)ことが大切です。
*背中側の方向(カカト側のエッジが立つ方向)をヒールサイド、おなか側の方向(つま先側のエッジが立つ方向)をトウサイドと呼ぶ。

背中側(ヒールサイド)に転ぶときは、「アゴを引き、腕を身体に引き寄せ、衝撃に備える姿勢」を取ることがポイント。ボードは上方向に浮かせます。

おなか側(トウサイド)に転ぶときは、アゴを上げ、水泳の飛び込みをするように、身体を伸ばしていき、おなかで雪面を滑る要領で行います。ヒザを曲げて、ボードを上方向に浮かせます

②起き方

通常は、トウサイドで立つのが簡単です。身体を縮めてボードに近づき、起き上がることで、ほとんどの場合立つことができます。反対に、ヒールサイドで立つ場合、簡単に立てる人とそうでない人がいます。

ヒールサイドで立つときは、トウサイドで立つ手順と同様に、身体をボードに引き寄せ、片手で雪面を押して身体を支えながら腰を先に持ち上げて立ちます。ポイントは、立ち上がったときに身体がボードの中央に位置するように、腰を持ち上げる前に両ヒザの間に肩を入れることです。

③スケーティング

スノーボードでは、両足をボードに固定すると基本的には平地での移動ができません。平地で移動する時は、前足だけをボードに装着し、後足で雪面を蹴ることで移動します。これがスケーティングです。

スケーティングには、後足をボードのつま先側に置いて雪面を蹴る方法と、後足をボードのカカト側に置いて雪面を蹴る方法の2つがあります。両方試してみて、自分にとって進みやすい方法を基本に行うとよいでしょう。

ボードのつま先側で雪面を蹴って進む

ボードのカカト側で雪面を蹴って進む

4.横滑りで斜面を滑る

①ヒールサイドでの横滑り

斜面を横滑りで滑り降りるのに必要なカカト側(ヒールサイド エッジ)での横滑りです。
ヒールサイドエッジで滑るには、カカト側に体重を乗せる必要があります。カカトへ体重を乗せるのには、股関節を曲げている姿勢が必要不可欠です。腰(股関節)を曲げながら、ヒザを伸ばすとエッジが立って、ブレーキとなり、ヒザを曲げるとエッジが緩み、横滑りします。

②トウサイドでの横滑り

連続ターンをする上で、必要となってくるのが、トウサイドでの横滑りと停止動作です。 足首とヒザで、トウサイドエッジの調整を行います

5.ボードを下に向けてエッジを入れ替える(初歩のターン)

両足が固定されたスノーボードは、左右の足のつま先とカカトを使って、定規の両端を指でつまんでひねるようにボードを捻ることができます。これにより、ボードの前後でエッジの角づけ量が変わります。角づけが大きい部分はエッジが効き、角づけが小さい部分のエッジが効かないことになります。この原理を利用して、斜面上で停止した姿勢から、ボードを斜面の谷方向(フォールライン方向)へ向けることができます。

①トウサイド〜ヒールサイド

後ろ足のつま先で支えながら、前足のカカトを踏むように、ボードを捻ることで、谷側へボードを向ける。ボードがフォールラインに向いたら、腰(股関節)を曲げてヒールサイドで停止する。

②ヒールサイド〜トウサイド

連後ろ足のカカトで支えながら、前足のつま先を踏むように、ボードを捻り、谷側へボードを向ける。ボードがフォールラインに向いたら、足首とヒザを曲げてトウサイドで停止する。